ご 挨 拶
本年度のクラブテーマ
「Rotary のBrand(価値)を高めよう!」
2024-2025年度
米沢中央ロータリークラブ
会長 吉澤 彰浩
【はじめに 米沢中央RCの伝統と価値 〜自発的参加型クラブ〜 】
大友恒則さんを初代会長とする我が米沢中央ロータリークラブは今年で38年目を迎えます。地域内に於いて「さわやかなクラブを作ろう」と発足した我がクラブは、初志の精神が現在も尚に連綿と引き継がれ、メンバーにとっては参加し易く居心地の良い雰囲気を形成しております。各メンバーにとっては、クラブに価値や意義を感じているからこそ、都度都度自発的に参加しているのだと思います。他クラブに比べ、結果としての傑出した例会出席率の高さがその証左でもあります。これは我がクラブのとても大事なBrand(価値)の一つでもあります。これからもクラブ奉仕として弛まぬ努力を重ね、我がクラブらしい価値を高めていくべきだと考えます。
【世界一の団体であるロータリーの価値 〜多様性から得て、そして個が与える団体〜 】
1905年、今から119年前にアメリカのシカゴでロータリークラブは産声を上げました。その活動内容や運動は、世界中の職業人に支持をされ、今や世界中には140万人のロータリアンがおり、世界一の団体と言っても過言ではありません。
ロータリーは何の団体か?という議論がよくされます。単なる親睦団体でもありませんし、単なる奉仕団体でもありません。DEI精神が息づく老若男女多様性に溢れた職業人が集い睦まじく親交を重ね、ロータリアンとしての学びと成長を通し、社会に奉仕していく団体であろうと思います。
我が国にロータリーの運動を齎した、かの米山梅吉はロータリークラブについてかように語っております。
『ロータリークラブは、奉仕クラブではない。ロータリークラブというのは親睦団体である。異業種の知恵を集めて相和する親睦団体である。肩の凝らない親睦の中で自分を再発見し、創造的に作り直して行くのである。そしてその親睦のエネルギーを、ロータリーを出た次の瞬間から、己の習熟度に応じて社会への感謝のエネルギーとして社会に放出して行くのである。それがロータリーの実働である』と。
親睦が入口で、過程にロータリアンとしての「学びと成長」があり、出口は奉仕。他の奉仕団体と一線を画すこのロータリー哲学がロータリーの価値(Brand)といっても過言ではありません。
そして、119年経っても、衰えるどころか、未だに世界に140万人、日本国内に8万人、地区に1500人ものフェロー(仲間)が存在する価値を考えましょう。
【ロータリアンとしての学びと実践】
どの団体でも必ずその存在目的があります。ロータリーほど明確で簡潔な目的と、真のロータリアンとして実践する手法をわかりやすく説明している団体はありません。本年度、RI第2800地区芳賀康雄ガバナーは、「ロータリーに誇りを持ち、学び、進化しよう」と基本理念で唱えており、その中で特に、ロータリーの目的を唱和しよう、という活動指針があります。我々は「何のために活動しているのか?」という基本に立ち返る、原理原則のようなものであると思います。我がクラブ例会でも実践して参ります。また、「言動はこれに照らしてから」とある、『四つのテスト』もロータリアンにとっては重要な行動指針であります。「目的」にしても「四つのテスト」にしても、言葉の表面上を上滑りすることなく、その真の意味についても深く考え実践して行きたいものです。(※特に、3の好意と友情を深めるかの「好意」とは、原語では「Goodwill」とあり、意味合いとしては、自身の店や看板の信用、評判、暖簾を指すのだそう。逆説的には、職業人としても振る舞いを誰もが見ている、ということなのだと思います。怖いことです。)
【与える文化の実践者として 〜I serve(個としての私は奉仕する)〜 】
社会変革の手法に、「シンクグローバル・アクトローカル」というものがあります。内容は、「構想は大きく、実践は身近なところから」という意味です。世の中は、良い悪い関わらず様々な問題を内包しながら進んでおりますが、ロータリーならではの奉仕を通じた解決策があると考えます。それは一人のロータリアンとして成長し、一人のロータリアンとして奉仕する、役に立っていくことだろうと考えます。
我が街の江戸時代中興の祖、上杉鷹山公は社会変革を成し遂げた偉人として、多くの政治家や経済人に尊敬をされ支持をされております。 かの米国第35代大統領、ジョン・F・ケネディは尊敬する政治家として上杉鷹山を挙げた逸話がありました。2014年9月27日、この元大統領の子女である駐日米国大使キャロライン・ブービエ・ケネディが米沢に来訪され、この逸話(鷹山を尊敬する)が事実として証明された時のスピーチがあるので紹介致します。
『父(ジョン・F・ケネディ元大統領)が敬愛していた上杉鷹山は、領民に対して力を尽くし、教育に献身し、そして、一人一人に世の中を良くする力があるという信念を貫いたリーダーです。その姿は何世代にもわたる人々に影響を与えてきました。皆さんが鷹山から受け継いだ遺産を讃え、そして次の世代にその教えを伝えていらっしゃることは素晴らしいことです。父は、「人は一人でも世の中を変えることができる、皆やってみるべきだ」とよく言っておりました。しかし、鷹山ほど端的にそれを言い表した人はいません。「なせばなる」と・・・。』(松が岬公園記念碑文より)
これはバタフライエフェクトのことを言っているのだと思いますが、ロータリーという団体も(米山梅吉が言ったように)「一人一人の親睦のエネルギー(in
put)」「社会への感謝のエネルギーとしての放出(out put)」として、同様のことを常々発言し行動しております。
「入りて学び 出でて奉仕せよ(Enter to learn,Go forth to serve)」という言葉があります。国際協議会メイン会場の入口に、この文字の看板があるとPGに伺いました。これは1947-1948のRI会長ケンドリック・ガーンジーの時のRIテーマだそうです。まさに、これこそ親睦団体であるロータリーの価値ではないかと思います。ロータリーの目的1を思い出して下さい。「知り合いを広めることによって奉仕の機会とすること」とあります。ロータリーに入会し、「睦まじい親交(親睦)」の中で多様な価値観に触れる。そして「奉仕の機会とする」。その親睦と奉仕の間には、プロセスとして「学びと成長を通し真のロータリアンになることで」という文字が心の中で見えてくると思います。これは、個としてのロータリアンの「自発的言行」が、その親睦団体としての価値をさらに高めることになると考えます。
【いつでもどこでもロータリアン】
最後に、ロータリアンとしてこうあるべきではないか、と思う詩があるのでご紹介を致します。
『たとえ明日世界が滅亡しようとも、今日私はリンゴの樹を植える』
これは、16世紀に宗教改革で主役となったマルティン・ルターの名言です。この言葉は、与えられた環境の中で精一杯生き、成長していこうという意味を持ちます。また、「明日に世界が滅びるとしても、リンゴの木を植えるという生産的な行為をするという決意」の意味合いもあります。
御年を感じさせないエネルギー溢れる史上最高齢ガバナーと思われる芳賀康雄当地区ガバナーは、「死ぬまで生涯ロータリアン」と言って憚りません。かのポール・ハリスも、かの米山梅吉も、没後何十年経っても100年経っても、その生き様は色褪せることなく語り継がれております。そういう意味からすると、真のロータリアンは「死んでもロータリアン」なのだと思います。
<基本方針(案)>
フェロー(仲間)を増やし価値ある機会(親睦)を創る(クラブ管理運営・会員増強) 学びと成長を通してロータリアンとしての価値を創造する(職業奉仕・クラブ管理運営) 個としてのロータリアンが奉仕の実践をする場所を創る(奉仕プロジェクト・R財団米山) 好意(Goodwill)と友情を深める公共・イメージの創造(公共イメージ)
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